飲食業におけるKPIとはどんなものがあるのでしょうか。
今回は飲食業向けのKPIについて、効果的な設定と活用法について詳しく紹介していきます。

飲食業におけるKPIの基本

飲食業におけるKPIの定義と具体的な例を紹介していきます。

KPIとは何か？飲食業での意義

KPIとは、「重要業績評価指標」と呼ばれており、設定した目標を達成するために必要な数値を指します。
KPIを設定せずに目標を立てたとしても、具体的にどの数字まで達成すればいいのか分かりにくいですよね。
そこで、目標達成のために売り上げや出店舗数などを具体的に数値化したことで、オーナーだけでなく従業員も目標達成のために何をしていけばいいのか分かりやすくなるということです。

飲食業特有のKPIの例

飲食業特有のKPIの例として、売上が月に〇〇万円達成することやいつまでに何店舗出店するなどが挙げられます。
他にも、HPアクセス数や予約数、リピーター率、来店客数、顧客回転率、客単価、原価率、FL比率、口コミ数なども飲食業特有のKPIの例として挙げられます。

効果的なKPIの設定方法

KPIを達成していくためには、最終目標をSMART（具体的、測定可能、達成可能、関連性があり、時間的に限定されている）原則に従って明確化すること。
自社の目標達成に最も影響を与える指標を特定すること。
KPIに対する誤解を解消していく事が大切です。

目標に合わせたKPIの選定

飲食店によっては達成したい目標がそれぞれ異なりますよね。
売り上げを第一に達成したい、顧客数を重視したい、口コミ数を大切にしたいなど、様々な思惑があります。
利益を重視したいのであれば、売り上げに対する客単価や原価率、人件費などのKPIを中心に選定していく必要があります。
顧客数を重視したいのであれば、顧客回転率や来店客数などのKPIが中心となってきます。
このように、目標に合わせたKPIを効果的に設定することで、目標達成までの数値化が分かりやすくなりますし、オーナーから従業員に見える化で目標を共有しやすくなります。

KPI設定の一般的な誤解

KPI設定にはいくつかの誤解があるとされています。
たとえば、多くの数値を管理することが重要であると考えらえていたり、売上や利益などの結果でしかない数値をKPIだと考えていること、景気指標をKPIでどうにかできると考えているケースです。
目標に合わせたKPIを設定するのではなく、ただただなんとなく数多くのKPIを管理していれば目標がいつか達成できると誤解していることはKPI達成の阻害となります。
売上や利益等の結果はあくまで結果指標であり、そこからどうやって目標につなげていくか、目標達成における過程を表すものではありません。
景気指標などの一個人ではどうにもできない指標をKPIを利用してどうにかしようとすることも難しいのが現状です。

飲食業でKPIを活用するメリット

飲食業でKPIを活用するメリットはどのようなものがあるのでしょうか？
メリットとして、業績向上や意思決定プロセスの改善などが挙げられます。

業績向上への影響

まずKPIを活用することで、業績向上への影響を計ることが出来ます。
売り上げや利益をKPIを設定して分かりやすく数値化したことで、目標達成や業績向上のためにあとどれくらい売り上げや利益を上げていくべきか、一目で把握することが出来ます。

意思決定プロセスの改善

KPIとして数値化することで、オーナーだけでなく従業員が次に何を行動すべきか、過程を改善したり、意思決定しやすくなります。
目標を分かりやすく数値化したことで、従業員のモチベーション向上にもつながりますし、オーナーと従業員の意思やプロセスを共有しやすくなります。

成功事例の紹介

飲食業で実際にKPIを導入して成功した事例を詳しく紹介していきます。

国内飲食業界の事例

国内飲食業界でKPIを導入して成功した事例として、株式会社サイゼリヤが挙げられます。
サイゼリヤは「コストパフォーマンスに優れた各店舗の売上アップ」を達成するために、「1人の1時間の生産性が圧倒的に高い状態を作る」ことが重要としました。
そして、KPIとして従業員1人が1時間で生み出す粗利益を示す「人時生産性」を設定したのです。
その結果、開店前に1時間費やしていた作業が半分の30分まで短縮するといった生産性が向上し、より短時間で多くの料理を作ることに成功しました。
人時生産性の業界平均が3,000円程度とされている中で、サイゼリヤはそれを大きく上回る4,000円を達成しています。
このように、サイゼリヤはKPIとして「人事生産性」を設定したことで、従業員の作業効率が上昇し、成功へと繋がっていったのです。

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